山菜料理が名物の山形の名旅館「出羽屋」。ちょこっとずつたくさんのおかずがずらり。お酒も進みます。
出羽屋さんは山形県西川町にあり、山岳信仰で出羽三山を訪れる行者様のお宿として始まりました。当時から地のものをふんだんに使ったおもてなし料理を「山菜料理」と呼ぶようになり、山菜料理の宿として、その名が知られる名旅館となったとか。
春夏秋冬それぞれの山の恵みをふんだんに使い、一見地味に見えるけど、とても贅沢なお味。食事だけを楽しむこともできますが、是非、宿泊して欲しい。というか絶対にお酒、それも日本酒に合うと思うんですよね~。和です。和。
山菜を始めキノコ類も、体の中をすっきりデトックスしてくれ、美容にも絶対よい。
でも食べ過ぎちゃうくらいたくさんお料理が出るので、その前に山歩きでカロリー消費しとかなきゃいけないかも。
秋の出羽屋はやっぱりキノコづくし。
そこそこ高級な宿の場合、お品書きを出してくれることがあります。
普段は記録のために写真は撮ってもサイトには載せないのですが、今回は掲載させていただきました。平地に住んでいる者からするとなじみのない食材も多く、説明を聞いただけではすぐに頭に入らないので、大変ありがたかったです。
出羽屋さんの秋の味覚。順番にお見せします。
こちらの写真、お皿の色合いがどうしてもカメラとなじまず、何度撮り直してもピントが合わなかったのでピンボケで失礼します。前菜の盛り合わせでございます。
ほんの一口ずつでしたが、これだけで日本酒一合を空けてしまいそう。上品な前菜。
左のお皿は見た目はだだちゃ豆かなにかに見えるんだけど、これ、実は鮎なんですよ。
「鮎のさんが焼き」なんですって。
出羽屋さんのfacebookではベストオブ鮎料理とまで書いてある。
このようにコースの先付けとして出てきます。
次のお料理がこちら。こちらはお重になっていて、重なった状態で出てきました。
お酒のアテ、またはご飯のお供になりそうな味の濃い佃煮などもあり、
前菜の続きのような、〆のご飯のお供にもなり得るおかずがこれまたちょこっとずつ。
珍しいのは焼き無花果の白和え。無花果って元々めったに食べないのですが、果物というイメージだったので、白和えになっちゃうんだ。とちょっとびっくりしました。
そして、山のお宿で魚といえば、ヤマメとか鮎がよく出ますが、今回は鮎でした。
また、アケビはその存在を漫画「美味しんぼ」で知ったくらいで、全くなじみのない食材。
秋になると山でとれる木の実で、今回で食べるのは2回目。そういえば1回目も山形だった。
ぷるっとしたアケビの実に詰め物をして焼いてあり、外側の見た目はお餅みたいですけど、プリプリしているの。山の恵みってほんといろいろありますね。
うちの母も山のほうの出身なので、知ってるみたいだったけど、たまたまこれまで母の実家に秋には行ってなかったかもしれない。だからアケビとかみたことなかったなぁ。
秋の山形だったので、芋煮は鉄板でしょうかね。芋煮鍋で出てきて、取り分けてくれたんじゃなかったかな。そして、ミズみたいなぬるりとした感じの見た目の右の器はおそばです。ムギの実のプリッとした食感が楽しい、冷製のむぎ蕎麦。
揚げ物です。秋だし、キノコの天ぷらが出てくるのかなって思ったら全然違いました。
食用菊に衣を付けてあげた菊の天ぷらです。これにはちょっと意表を突かれた。
新潟とか東北に行くと食用菊が供されることはよくありますが、大体酢の物とかだったので、天ぷらで食べるのは初めてです。見た目はかき揚げみたいに見えますが、菊まるごと。
〆はご飯と味噌汁ですが、これも季節のご飯ということで炊き込みご飯でした。
たぶんきのこご飯です。キノコの種類は忘れちゃったので、割愛させていただくと言うことで。
お品書きに「季節のご飯」とあるように、白いご飯のことって少ないのかな。
そしてデザートはカボチャプリンと季節の果物。もうおなかいっぱいで大変な思いをして食べたと記憶している。全体的に野菜や山菜が中心であまり肉とか魚はメインではないので、デザートがプリンで卵のこってり濃厚な感じに終わったのがよかった。
ごちそうさまでした。
朝食も美味なる山菜とともにいただきます。
旅館の朝食と言えばご飯のお供になる濃いお惣菜や納豆、のりなどがこれでもか!とずらっと並び、おかずをすべて食べきろうとするとご飯が足りないよなぁというのがいつも悩みの種でした。でも、出羽屋さんは違います。
やっぱり山菜、野菜が中心で、さっぱりとした味わいのおかずばかり。単体で楽しめる。
そして、ご飯の他におそうめんがでてくるところがなんとなく上品じゃないですか。
おそばはありがちですけど、そうめん。それも揚げなすが添えられていてちょっとコクがあって、ちょうどいい。(結局、炭水化物取り過ぎなのは同じ。)
出羽屋さんに宿泊する。
今回訪れたのはコロナ禍であったこともあり、宿泊客の人数制限を行っていたことと、部屋を離していたこともあり、貸し切りではないかと勘違いするようなゆったりと滞在できました。
左の写真の部屋と全く同じ広さの続き間が出前にあり、二部屋をつなぐ廊下とテラス。
そして、広々としたたたきがある贅沢なお部屋でした。
食事はさらに別の間に準備されていて、こんなに広々と空間を使わせていただいていいのかなと恐縮してしまうほどです。
コロナが開けて、お客さんをたくさん入れるようになったらこんな広い部屋に通してくれないかもしれないけど、今度は別の季節にまた行きたい。春夏秋冬、制覇したいです。いつか。